耳鼻の症状
中耳・中耳炎について
鼓膜より奥のスペースを鼓室といい、鼓室と咽頭を結ぶ耳管を含めて中耳(ちゅうじ)と呼びます。
中耳の上部にツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨という耳小骨が並び、音波による鼓膜の振動を~骨伝導へ~そして内耳に伝えます。
中耳炎は、この一帯が炎症を起こしている状態です。急性に炎症がおこる急性中耳炎(急性化膿性中耳炎)は、かなり痛みが強く、熱がでたりもするので、小さなお子様でもすぐに気付くことが多いです。
原因の多くは細菌感染であり、風邪をひいたり、鼻水鼻づまりから鼻をすすることにより、耳管から細菌が侵入することが中心です。
繰り返し中耳炎になったり、なかなか治りきらず慢性的に中耳炎が続く場合もあります。抗生物質の耐性により、お薬が効きにくくなっている中耳炎もあるようです。
滲出性中耳炎
鼓膜の内側になる中耳腔に水(自分の身体からにじみ出てきた滲出液)が溜まった状態で、音が伝わりにくくなります。
痛みが少ないことも多いので、お子様が症状をうったえない場合もございます。
呼んでも返事をしないことが多かったり、テレビの音を大きくしがち、耳をよくさわっている場合などは、注意してしまう親御さんもあるかもしれませんが、その前に耳の病気の可能性も考えてチェックしてあげましょう。
ほとんどの方はすでに病院に通院されていると思いますが、通院していても症状がきつくてなかなか治りきらない方,お薬をあまり飲みたくない方は、東洋医学も取り入れてみて頂くことをおすすめいたします。
東洋医学は全身の流れを良くし、滞りをなくすことを大事に考える治療です。そのため、副作用のご心配もなく、併用治療しても西洋医学の治療を妨げることもございません。血流を整え、耳に関わるツボと併せて治療することで、上記の耳の病気にも効果があらわれてくるのです。
耳に症状がある場合、腎経、膀胱経、肝経、胆経、三焦経、小腸経、大腸経などの経絡に反応がでることがあります。その方その方に合わせて取穴していくことが大切になります。
長く慢性化している場合は、早い効果を求め過ぎてあせらずに鍼灸も治療を重ねていくことが大切です。これは、どのような疾患にもいえることでしょう。
耳管狭窄症,耳管開放症について
図にある鼻の横から耳に向かって伸びている管を耳管といいます
実際は、頬の骨よりも奥深くを通っており、咽頭~鼓室を連絡しています。
普段、耳管は閉じられていますが、あくびや物を飲み込む時、周囲の筋の反射的収縮によって一時的に開きます。
耳管によって、鼓室の内圧と外気圧が同じ圧に保たれ、鼓膜を振動しやすくしています。
耳の閉塞感,自分の声が響いて聴こえる,めまいや耳鳴りなどの症状が現れることもあります。唾を飲み込むと鼓膜がポコポコ,ピクピク感じるとおっしゃられます。
耳管狭窄の場合、閉塞してしまうと鼓室内の空気が吸収され真空状態となり、滲出液がにじみでてきます。いわゆる滲出性中耳炎になりやすい状態といえます。
耳管開放症の場合は、細菌が中耳にいかないように、鼻すすりを控え、やさしく鼻をかんだりするようにしましょう。これは、すべての方が注意すべきことかもしれませんね。
開放症の原因としては、ダイエットなどの急な体重減少,中耳炎,顎関節症,妊娠などが影響することもありえます。
治りにくい効果がでにくいといわれる耳管開放症ですが、他にも体調不良から併発する場合が多いようなので、そこから整えて改善させていくのが大切だと思います。
漢方薬では加味帰脾湯で症状緩和の症例が多いということです。
メニエール病、メニエール症候群
耳の奥にある器官、内耳でのリンパ液がいっぱいになり腫れた状態。(内リンパ水腫)中でのリンパ液や血流が悪くなり、水分が停滞している状態。
ストレスが一番の原因にあがることも多いですが、炎症によるものや、肩こりや首こりなどが流れを妨げることも重要な原因と考えられます。
主症状
・ぐるぐるとまわる回転性のめまい
・めまい発作とともに耳鳴り,難聴があらわれる。
これらの症状が変動して、あらわれます。すべて症状がそろわない場合もメニエール症候群として同じような原因であり、治療が必要となります。
中には、気分が悪くなり、吐き気や冷や汗をともなうこともあります。
それ以外の脳神経症状(顔面神経麻痺、しびれなどは、別の病気と考えられます)
上記の耳疾患に関わる経絡とともに、肩こり,首こりの治療を行うことで、治療効果が上がります。
メニエールになった方で、季節の変化や体調の不良時に繰り返す方が多いように思います。
普段からの健康管理とともに、きつい肩こり症の方は、疲れやコリをためないように鍼灸で予防をしていくことをおすすめしております。